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14.行動変容-1

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.08.07

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PINOSOLAマガジン第二章 行動
14.行動変容-1
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営業活動のすべては「行動」に包含されます。
営業活動の最上位にある概念は、「行動」です。

行動は、言動(言葉の動き)、行動(体の動き)のことです。
ビジネスでは、プロセスに関連したメールを送る、あるいは面談のための電話を掛ける、訪問して商談をするなども行動に含まれます。
また、コンテンツを見せる、質問をする、質問を受ける、商品説明をする、事例先に案内するなどの行動も含まれます。
Webでは、シナリオを活用して目的を持ったメールを配信することも含まれます。

行動は、行い動くことですから、静的なモノではなく動的なモノです。
日本企業が長く行ってきたデータベースマーケティング創成期から続いているデータを溜めて一定期間の過去データにしてから分析する
手法は静的分析手法になります。過去データから未来を予測することはできますが、
たった今行われている日本だけではなく世界中で過去データを分析解析する手法が定着していますし、静的分析手法が悪いということでは
ありません。

ただ、デジタルマーケティングを設計次第で「行動」を制御できるようにつくれるので、そして制御こそがデジタルマーケティングを
デジタルとして有らしめる特徴ですから・・・。

さらに、静的分析や解析をしたところで行動を変える何が生まれるのかはなはだ疑問です。
過去が分かって過去の結果から未来を予測する分析解析手法を使っても、それをたった今の営業活動(行動)にどう生かせば制御が
できるのでしょうか。これも疑問です。
だから、現在進行形のログデータを取得して、直ちに活用することが必要なのです。

行動は、プロセスとして整理され組み込む必要があります。
するとプロセスとは何か、プロセスにならない「行動」の処置について以下にしたらよいかの議論が生じます。
事前に、営業活動で生じるあらゆることをすべて定義しプロセス化することは困難です。
例えば入社2年生と8年生とでは6年の経験差があります。経験によって生まれる経験値の違いは、確実に営業活動(行動)に反映されます。
それを回避するには、普遍的なプロセスの構造を見つける必要があります。
どの商品にも適合し、どの経験値にも対応したプロセスの構造です。

プロセスは設計者次第でどのようにもつくることができます。
逆から見ればつくれてしまいます。設計する際に捉え方の入射角が異なれば出来上がる構造が全く異なります。
一つの企業でたくさんのプロセス構造を持つと比較ができなくなりますしITで統合することが困難になります。
制御もできなくなりますし、基準もできなくなります。ログデータに統一性がなくなるからです。

そのうえに立って、本号から行動変容について話を進めていきます。
数年前からITコンサルタントが行動変容と言い始めていますが、行動変容は、新しい用語ではありません。
1950年代後半に、治療に適応行動をしない患者に、行動の治療理論と技法を学習理論と行動理論に求めるべきだと心理学者アイゼンク等が
提唱した心理学療法の一種で、今は広い業界で普及している理論と技法です。

医療ではどの資料を見ても次のステップが登場します。糖尿病患者の行動変容ステップについて説明をしていきましょう。

1.無関心期
採血の結果、空腹時の血糖値が150mg/dl、A1cは、8.8ng/spと結果が出た。医師はこのデータを基に糖尿病と診断をした。
そして患者に血糖降下剤を毎食前服用のことと、一日30分早足でランニングをすることと、食事療法を薦めた。栄養士が一日
1800KCALの献立を見せてこの範囲でカロリー計算をして食事をして欲しいと伝えた。

しかし、患者はまだ、30代で大食漢であった。一日守ってこんな劣悪な食事で長生きをしても意味はない。
腹一杯食べて10年早く死ぬ方を選ぶ。太く短く生きる方を選ぶと決心。薬は服用したものの健康行動を何一つ採用しなかった。

2.関心期
数年経過し、空腹時の血糖値が280mg/dl、A1cは、10.1ng/spと進行した。
患者は仕事の忙しさと友人付き合いを医師に対しての言い訳に使っていたが、血圧も上昇し、中性脂肪も基準値を超えていた。
医師は、私は内分泌の専門医ではないので糖尿病の専門医に相談して欲しい。必要なら紹介状を書くと宣言された。
患者は、これはまずいなとまじめに思った。が思っただけで健康行動をとらなかった。

3.準備期
患者は糖尿病専門医がいる病院にドアノックした。
医師は問診をして過去の血液検査結果を見た後、再度血液検査と眼科による眼底出血の有無、心電図検査をした。
死の四重奏。血糖値・A1c、中性脂肪、高血圧、コレストロール、すべて異常。
A1cは、11.3ng/sp.もはや異常値を超えている。眼底出血進行。放置すれば失明。進行すれば最後に失明ではない。
はじめに失明だって起こり得る。
眼底はレーザー光線で出血の進行を止める必要あり。
心電図は負荷をかけて再検査。動脈硬化が進んでいる可能性もある。

病院に通っていてここまで悪化した理由はなにか。糖尿病は血管と神経を破壊する病気。完治しない。
そこにコレストロールが増えることで血管狭窄が起きる可能性が増える。高血圧は血管に圧が掛かり破れやすくなる。
薬とインシュリン注射の両方で対策を考える。
患者は、食事療法と運動療法は実現不可能だと言った。医師はだから、インシュリン療法を加えたのですと言った。
患者は1日8000歩歩くことを心掛け、食事もカロリーを考えてとることと友人との酒付き合いを一カ月2回と絞った。

4.実行期
インシュリンを注射し始めた。患者は数値を記録し併せて血圧の計測を始めた。その成果もあって毎朝自己計測する血糖値は下がり始めた。
眼底出血を止めるためにはA1cを8.0ng/sp以下にしないとまた眼底出血すると言われた。
発症時の「こんな粗食を毎日食べて10年長生きするバカがいるんかい」と豪語していた姿は消え失せ、真剣に健康行動をしている。

5.維持期
健康行動を継続している。数値の低下(基準値への近づき)が励みとなって忠実に健康行動を維持している。

記載の1から5までのステージが行動変容を動的に動いていくマイルストーンということになります。
以上は医療の現場で病気が進行したことにより医師や看護師の手出すを借りずに患者自らが行動変容をした例です。

これからがビジネスでの行動変容に移ります。
行動変容には。顧客行動変容、営業行動変容、社内行動変容の3つがあります。
次号は顧客行動変容について説明をいたします。
(次号へ続く 本文2651字)


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