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13.統合する思考過程のカタチ10 (AI)

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.07.31

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界
13.統合する思考過程のカタチ10 (AI)
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デジタルマーケティング、機械学習、AI(人工知能)と、次から次へデジタル技術が進んでいるように見えます。

AI推進派からは、AI導入を検討していない企業はもはや回復不可能な遅れをとっているとまで断言しております。

雑誌を読むと、近未来はAIによって職を失う人間の行列ができると無くなる職業を羅列し読者の不安を煽っている
記事が数多く見受けられます。
本当にそうなのでしょうか。AIとは何かを少しかじっただけで、いろいろと見えてくるものがあります。

AIの創成期は1956年に遡ります。創世記は探索木(サーチツリー)の考え方から始まります。
初期状態ではじまり選択可能な探索を続けて目的達成をするという考えです。将棋やチェスは、まさに探索木の構造です。
そこで将棋やチェスに、勝ったという目的可能なゴールを実現した高度な選択可能探索ツリーの「行動」を投入しました。
将棋がようやくプロ棋士に勝てるまで進化しました。ですがAIが進化したわけではなく探索木の考え方は50年代、60年代と
何一つ変わっていないわけです。
探索木の初期状態から探索を続けて迷路のような分岐の道を分岐しながら突き進み、目的達成を実現すれば、今度は遡ることで
迷路は経路になります。

足掛け5年間にわたる私の思考中に、ゲームデザイン理論をも読み込んでいましたからAIの探索木モデルはB2B、B2Cに限らず
訪問ビジネスにはそのまま使えると思い至りました。

私が思い至ったイメージは、次のようなものです。
『誰も踏み入れていない草原があって、道一本ありません。
そこにたくさんの営業パーソンが遥か向こうの目の見えないかなたにある目的地にたどり着くことが全員のゴールです。
営業パーソンは、先が見えないまま前に進みます。ところが大きな岩があって直進できません。
すると営業パーソンは、岩を避けて回り込まなければならなくなります。これが分岐です。
左に回るのか右に回るのかでコースは変ります。

営業パーソンが歩いた後には足跡が残ります。この考え方はカーナビではありません。
誰一人として君の進む方向は間違っている、こっちが正しいよとは教えません。自分が考えることが大切なのです。

AIもデジタルマーケティングもバカ製造機にしてはいけません。AIは人を育てなければいけません。ここが大切なところです。
ですから営業パーソンは自分が行き詰まると他人の足跡を探します。そして他人の足跡を探して見つけます。
やがて先輩たちが残した足跡が数多く、単なる足跡から広めの道に生まれ変わっている個所を見つけます。
その道を進んで行ったら目的地にたどり着きました。

しかし、ある時、誰もが目的地を見失います。この広い道を進んでもその先に目的地はありません。
目的地が環境の変化で変わってしまったのです。目的地にたどり着けなければ業績は下がります。

ところが、たった一人だけ移り変わった目的地を見つけた営業パーソンが生まれます。
しかし、たった一人の足跡ですから小さくわかりづらい。
新しく生まれた移り変わった目的地にたどりつく小さな足跡をみなに知らせる方法が必要です。
さあ、これらをどう設計すればよいでしょうか』。


普通に考えれば探索ツリーの範囲を超えていますが、探索ツリーでカバーできる個所とできない個所を持つことができます。
それを可能にしたのは人間の知識をAI に投入しようということです。
AIの創成期に生まれた探索ツリーは、ゲームでは使えても現実の世界では使えないと判断され、急速に冷えていきます。
次に生まれたAIは、1960年代に生まれた知識を投入する「対話システム」です。
一時期、医療システムのAI化が日本でも話題になりました。

アメリカでは一つの疾患に約500のルールをつくって、こういうルールなら〇〇%の確率で病名はこれだ、処方はこれだ
というAIをつくりました。
私は探索ツリーに、考え抜いた訪問ビジネスの「知識」を組み込むことで解決しようと考え、AIに組み込める訪問ビジネスの
知識をつくりました。それがPINOSOLAメソッド(訪問ビジネスバージョン)です。

AIの方は、知識を入れるほどに入れなければいけないことが増えてくる現象にぶつかりました。
人間の脳は瞬間的に対応できますが、AIは一つの事象を理解させるためにその周辺の知識をすべて投入しなければならないことです。
例えばのどが痛いという患者の声をコンピュータに理解させるには、「のどとは何か」から知識を導入しなければなりませんし、
のどの構造や役割、それに体の組織全部を投入しなければ他と識別ですることができなくなりました。

知識ベースでは知識を投入するほどに精度が上がらずにもっと知識を投入しなければならなくなりました。
これで知識ベースは底なし沼にいることがわかったのです。

私も同様に壁にぶつかりました。
コンテンツの詳細を文章とマッチングさせて自動表示するには画像の意味付けをしなければなりませんが、例えば大型百貨店では
年間に1000万点から1500万点の商品が通過していきます。
これらを自動表示させるためには画像を一点ずつ意味付けしてML(マークアップランゲージ)で書いていかなければなりません。

それをどう処理するのかという壁です。
知識ベースだけではダメだということが分かり、そこでAIは立ち止まりました。
訪問ビジネスでは人間が担当することで実現できますが大型Webショップや大型小売流通業ではなかなか難しい問題になるということです。

AIは、次のステップに進みます。次に生まれてきたのが、ディープラーニング(深層学習)です。
ディープラーニングとは、AIが物事を理解するため過去データを大量処理し統計学的に判断していく学習方法です。
難解なので本マガジンでは説明いたしません。

今、AIの世界はディープラーニング一色です。世界有数のIT企業がディープラーニングの企業を買収しています。
いま、話題になっているのは画像と文章の相互変換です。
文の意味は分からなくても文字列から意味を統計学的に自動決定して行きます。
ディープラーニングの応用範囲はまだ特定されていません。

ですが、AIはディープラーニングの登場で一つの節目を迎えることは事実のようです。
以上のようにAIは研究段階です。企業が、しかも営業活動を搭載するためには理論を持った手法が必要になります。
私が現在進行形データに固執しているのも、過去データで営業活動の最先を見つけることはできても、顧客の行動変容が
最終決定権を持っているからです。
過去データが不必要という意味ではありません。
私が顧客との関係性を重視しているのも、関係性が行動変容に重要な役割を果たしているからです。
行動変容は、顧客自らが学習をした成果だと言っているのも、もっと「行動と学習」について学ばなければならないからです。

文字数2710字 次号へ続く


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