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9.統合する思考過程のカタチ7 (ログデータの設計)

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.07.24

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界
9.統合する思考過程のカタチ7 (ログデータの設計)
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最近、デジタルマーケティングについて書いたいろいろな文章を読んでいますが、成功するポイントとして「良いデータを使う」と意見を述べる方が増えています。良いデータというからには悪いデータも存在するわけです。正確に言えばよいから悪いに向かってグラディーションを描いて分布しているデータがあるわけです。そこから良いデータを探しましょうと言っているのです。さらに読み込むと中には、ビッグデータには、ゴミデータもたくさんある。膨大なゴミデータの中から良いデータを探し出すのだ。とつなげている筆者もいます。
この傾向は日本人だけでなく海外のアナリストも言っておりますので世界共通の考えかもしれません。

私の考えは異なります。デジタルマーケティングの成功の秘訣は良いデータではなく「必要なデータ」を取得することです。必要なデータが取得していなければ必要なデータを新たにつくることです。タブレットやスマホは、デジタルデータを顧客や社内の人に見せるだけではなく、必要なログデータを取得するデバイスになります。

営業活動は、実行動の連続です。一方、ログデータは、実行動に紐づいた時系列に並ぶデータのことです。営業活動をデータ化したものがログデータです。つまりデジタルマーケティングの設計は、同時にログの設計から始めるべきものなのです。
ここを詳細に説明いたします。

デジタルマーケティングとは、ログデータを設計しマーケティングへの応用技術のことです。それを以って企業(営業)目的に近づけることができ、可視化でき、さらに制御でき、状態変容できるデジタル+アナログのマーケティング技術といえます。
これだけのことができるのに、なぜ事前に行動(全営業活動)の設計、ログの設計を行わないのでしょうか。デジタルマーケティングには、良いデータが必要、ゴミデータの中から価値あるデータを探すというのはデジタルマーケティングとは何かを考えていないのではと思います。


ログデータを溜めて過去データにして分析した途端に過去のことしかわからない結果データに置き換わります。しかしこれが普通と考えている人たちは、ビッグデータから良いデータを探し出すと思っています。分析解析技術を問うているわけです。これではデジタルマーケティングを導入しても価値は半減どころか、すぐに使い物にならないシステムになってしまいます。

自然界に、自らの行動を瞬時に過去データにして分析し次の行動を選択する動物や植物は存在しません。
過去データから未来を予測できることも真実ですが、それはあくまでも分析解析の世界であって行動―基準―制御にはつながりません。
これは何を意味するでしょうか。
例えばタクシー業界ではAIを使ってエリアを細かく分けて、ナビにこのエリアに行けば乗車レベルがいくつであると表示します。ベテランドライバーは過去のデータでそうあるからと言って未来がそうであると限らないと言いますが、実際に行ってみるとタクシーを待っている顧客がいて、全体的には10%ほど売り上げが上がったと言われています。

新人は2カ月くらいで一人前の稼ぎがあるということです。これらは過去データを解析して次の一手を提示している例です。
冷静に考えますと、よく知っている大きな交差点で、ここでタクシーを待つと一方向からしか来ないが、交差点のあそこに立てば三方向からくるという場所があります。


ですから土地を知っている人はそこに行ってタクシーを待ちます。これらは過去のデータでしかわかりません。過去データから生まれるものは確率論ではなく過去の結果論です。
ですからAIを入れても10%しか売り上げは増えません。当たるも当たらないも運次第ということです。実際にそこをドライバーに突っ込んで訊くと、今の時間帯はこのエリアのここが高い乗車率と指示されても待っている人がいないことは普通にあります。
宝くじを買うようなもので当たらないなと思っても当たる時もあるからまた買うというレベルですと答えます。

行動から基準をつくり、制御を可能とし、PDCAを回し、さらに進化を遂げる仕組みを実現するには、行動から基準をつくるしかなく、続けて基準から制御をつくるしかなく、その原点は、ログの設計、行動の設計が実現してなければならないということになります。

そして大事なところか現在進行形でログデータを獲得しすぐに活用していくというところにあるわけです。
(本文1814字  次号へ続く)


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