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7.行動はなぜ現在進行形が正しいのか

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.06.19

終わってしまった行動を、過去形で捉えて次工程を考案しようとしているのは、自然界では人間だけです。人間が高度だからという話とは別の話です。人間以外は、動物も植物も行動する際に重視するのは次につながる現在進行だけです。

さらに話を突き進めますと、過去を振り返っても次の行動は生まれないことを知っている職業(人)は次の一手を導き出すために現在進行形で取り込むことを自分のビジネスに取り入れています。

この話はPINOSOLAマガジンで話をしていたこと、つまり「過去のデータは結果であるから、結果を詮議しても結果は変らない。(こぼしてしまった水をなぜこぼしてしまったのかと詮議してもこぼした水が元に戻ることはない)そこで結果論に因果論を持ち込んで未来を変えようとするけれど、結果Aの要因と、結果Bの要因とは異なるのだから、因=果とする因果論は当てはまらない(購入率が1%だから今のPV数を2倍にすれば購入率は1%でも購入数は2倍に増えていることになるとする考えは成り立たない」とは別のアプローチ方法です。

なぜこのような話をするのでしょうか。それはデジタル化とは、行動の、(したがって営業活動の、マーケティングの)「制御」が実現できるからなのです。そして実現するためには、行動を現在進行形で捉えなければならないのです。
これまで語ってきた手法とは別の新しいアプローチ方法で、説明いたします。

脚本での現在進行形

テレビや映画の脚本は物語を映像化するための設計図です。
脚本は、
1.柱
現在位置と場所を表示します。
2.ト書き
人物の動作、状況、行動などを表示します。
3.セリフ
役者のセリフを表示します。
の三つで構成されています。
具体的に書いていきましょう。
柱番号
銀座四丁目画廊 2階一室

ト書き
堀川達治、田村敦子画伯 抽象画を食い入るように見つめている。
山本次郎 同室に入る。

セリフ
山本「堀川さん。田村画伯はお好みですか」
堀川「不思議な絵だ。物故作家なのに古さがない」
山本「アメリカで火がついて、おかげで日本でも騒がれています」
堀川「そうですか。ところで今日は他でもない。例の続きだが」
山本「ここでは話もできないでしょう」

以上が脚本の1カット分です。
ト書きが動作、状態、行動を示す個所です。若しもここが過去形だったらどうでしょう。
堀川達治 田村敦子 抽象画を食い入るように見つめていた。
山本次郎 同室に入った。
過去形のト書きに対してセリフは生まれてくるでしょうか。

脚本では、ト書きは現在形で書くのが普通です。過去形を使うときにはそれなりの意図があって使うことを監督に知らせ、監督が了承すれば通用します。しかし過去形で書いたらなんで過去形にするのかと必ず訊かれてしまいます。次のセリフが生まれないからです。

次にロールプレイングゲームの脚本で説明をします。ドラクエをイメージしてお読みください。

主人公はとある村に入ります。村の名前はオリーブ村とします。
まず村人と会話をします。

村人A 牧師さんは不思議な行動をするようだ。
村人B 村の南に最近魔物がよく出るようだ。
村人C 夜になるとおかしな男が出てくるぞ。
村人との会話は次の行動を探す主人公にとって重要な手がかりです
どれも現在形、現在進行形です。

過去形にしたら、次のアクションを選択することができないからです。
ゲーマーは、オリーブ村で繰り広げる物語を推理し行動を探すことになります。
まず、教会へ行ってみよう。となるわけです。
すると、普通はこれまでの記録をしてくれる牧師さんがいない。牧師さんに使える修道女の人が、牧師は最近昼は寝ているんですと答えて保存をしてくれる。
夜になって再度教会に行くと、牧師はそわそわしながら外に出かける。主人公は、ここで夜になるとおかしな男が出るという村人の声と符合する。こうして物語は展開していきます。
もしも過去形だったらどうでしょう。
村人A 牧師さんは、以前不思議な行動をしていた。
村人B 以前、村の南に魔物が出没していた。
村人C 夜になるとおかしな男が出ていた。
過去の話は終わった話ですからそれを元に新たな行動をとることができないです。

現在進行形と言ってもピンとこない人がおります。イメージが湧かないのです。
イメージがつながる話をいたしましょう。
ビッグデータが出たてのころ、繁華街を歩く人々の通行量調査が現在進行形で表示されていたことをご記憶でしょうか。あるいは渋滞情報を表示したデジタル地図のイメージですね。

次は、小動物リスの話をします。
リスには、草原を走って向こうの森に移るための行動プロセスを持っています。まず手前の森にある高い樹の梢で、草原と木の足元を探ります。ジーと静かにしています。次は、一気に木を駆け下り地表に出ます。次はそこで空の様子、草原の様子をウオッチします。においや気配を知るわけです。

それから一気に草原を駆けぬけます。そして向こうの森に移るとすぐに居場所を変えます。それから高い樹に上り、点々と木を移り安全な場所まで移動します。大きな木にしがみつき姿を消します。しばらくそのままにして猛禽類やヘビなどがいないことを確認してから枝に移ります。すべてのリスが同じ行動をします。

脚本について書いた個所を思い出してください。
脚本は、柱、ト書き、セリフから成り立っています。ドラクエも同じです。柱はオリーブ村。ト書きは村人の会話、セリフは課題解決のための詳細な行動になります。

 

それでは、リスはどうでしょう。
1.こちらの森の梢にいる。
2.地表にいる。
3.地表別場所にいる。
4.草原にいる。
5.着地地表の別場所にいる。
6.別の木にいる。
7.幹にいる。
8.移動プロセス終了

これらは、脚本上の柱(現在地)に相当します。
ト書きは、現在の、動作、状況、行動に相当します。
1.梢から地表に移っている。
2.地表別場所に移っている。
3.草原を向こうの森に移っている。
4.着地地表の別場所に移っている。
5.別の木に移っている。
6.貼りつく幹に移っている。
これらがト書きです。
セリフは、ト書きAからト書きBに移動するための詳細な行動に相当します。

次号は、本号の続きです。
(本文2473字 次号へ続く)


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