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6.統合する思考過程のカタチ4

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.06.12

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界
6.統合する思考過程のカタチ4 (営業活動デジタル化4つのポイント―行動)
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「行動」を深く掘り下げて考えます。
デジタル営業化の実現にとって行動を極めることは重要なことです。
ましてやセールスオートメーションや、将来にAIとの接続を考えている企業にとっては最も重要なことの一つです。
行動を極めない思考やシステムは精度の低いものになって期待することは実現できないと思います。

PINOSOLAメソッドでは、上位概念としての行動はActと名付け、下位概念にある営業活動としての行動はActionとして名付け、区分けをしています。
すべてを上位概念で使う行動として表現しますと、実態と概念が混在して話が分からなくなりますので、本マガジンでは、
行動を表示する上位概念の用語は、アクト、下位概念の用語はアクションと区分けをして語ります。

最初に重要なキーワードから。
「アクトは、アクションと、ログデータを統合したものでなければいけません。
言い換えればアクトは、アクションとログデータから成り立っているということです。
もっと砕いて書きますと営業プロセスとログデータを統合したモノが「行動」であるといえます。

ログデータは、アクションを伴った時系列に並ぶデータのことです。わかりやすく書くと「ログデータ=アクション」です。
ログデータを解析して、営業パーソンは会社が考える営業プロセスを実施していないとなれば双方は一致するはずはありません。

一時期、「ログデータが溜まりすぎて、データベースを追加しなければならなくなりログの処置に困っている。
よそはどう対処しているんでしょうか」と、相談を受けることが増えました。
営業プロセスは持っていますかと問うと、昔からのやり方をプロセスとしてマニュアル化しているとの回答です。
プロセスとログデータは一致していますかと再び問うと、「イヤ、一致していない。
ログはログ、プロセスはプロセスだ」と回答です。これではダメです。

正しく一致していなければ、ログデータをつくった実態のアクションを否定するか、正しくログデータを獲れる設計をしていなかったか、
営業パーソンの身勝手なアクションを否定するか、そもそも会社で作成した営業プロセスマニュアルが実態と異なっていたか、
数え上げればいくつも出てくると思いますが、いずれにしても統合作業が終わっていないのでいきなり分裂が起きます。
この状態では、デジタルマーケティングも、セールスオートメーションも、ましてやAIとの接続も夢物語になってしまいます。

何故でしょうか。

営業活動は、アクションのカタマリです。
アクションの素材は100%営業活動でつくられています。
ログデータはアクションを行ったことを意味するデータです。
ここで問題になるのが、営業プロセスの構造なのです。
個別化を求める日本企業は営業プロセスの標準化を果たせていません。

以前、超大企業の営業専務にプレゼンをした話をいたします。
専務は私の話をさえぎってこう言いました。「営業にプロセスがあるなんて信じていらっしゃるのですか。
営業活動は千差万別ですよ。毎回全部違いますよ。
登場人物も違う。発言内容も違う。背景も違う。ライバルがどこかによっても違う。
プロセスなんか事前に準備することなんかできるわけがないじゃありませんか」。

 

彼は優秀な営業マンで、古くから知る人は、「あの人が出て来たらライバルはみな引き下がった。
専務は若い時は伝説の営業マンだった」と語っていました。

結果を申し上げますと、私の話に理解いただいて「それならある。それならできる。
着想が新しいが(きっと成功事例はないだろうが)、それなら理解できる。それでいこう」と、なりました。

今でも営業プロセスはないと考えている人が多いのが実情です。
ですから、タブレットが発売された当時、一気にコンテンツ・マネージメント・システム(CMS)が生まれ、
販売企業は、「ログを解析できます」とセールスをしていましたが、実態としてのアクションを伴わないCMSを設計し、
得られるログデータを解析しても、部分的かつ断片的なアクションデータであって、そこからは全体を俯瞰することはできず、
何も生まれなかったのです。
しかし、デジタル営業を求めるのなら、全社を挙げてアクション(営業プロセス)に取り組む必要が出てきます。

デジタル経営化を求める多くの企業が、実はここでストップしているのです。
この先が分からないからです。道筋が分からないからです。


答えをいいます。
すべての商品(製品)に合致する一つのアクション・テンプレート(プロセス・テンプレート)を見つけることです。
個別対応して、いくつもアクション・テンプレートをつくったらとても運用ができません。
たった一つですべてのアクションを包含するテンプレートを発見し、同一のパターンでアクション(プロセス)を載せられるようにすることです。

そして、アクションを語るうえで何よりも何よりも(強調表現でして、重複ではありません)重要なことはアクションを現在進行形で捉えることです。
日本では、ログデータさえもデータベースに溜め込み、一定期間の過去データにして解析をしますが、過去データの解析を否定はしません。
ですが、デジタル営業化を実現するには、アクション(=ログデータ)を現在進行形で捉えなければなりません。

現在進行形でなければ、次の一手を産み出すことができません。
ここは次号で詳細を述べることになりますが、過去データを分析解析することに長けている日本にとって、ここを乗り越えることは
難解であり、デジタル経営を目指す企業にとって立ちはだかる高い壁になります。過去データを解析して仮説検証を繰り返す手法だけを
載せて、デジタル営業化は、とてもとてもうまくいくことはありません。

次号は、なぜ現在進行形でなければ次の一手を産み出すことができないのかを具体的に説明します。

(本文2342字 次号へ続く)


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