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5.統合する思考過程のカタチ3

カテゴリー:服部隆幸のPINOSOLAブログ
17.06.06

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界
5.統合する思考過程のカタチ3 (営業活動デジタル化4つのポイント)
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統合に関する大手百貨店のケースをお話しします。オムニチャネルの導入を巡って大プロジェクトができました。
経営部門は企画部門に営業現場の声を聴けと注文を出しました。
PINOSOLA流に言えば統合をせよということです。

しかし、営業部門の要望は、
①ショップ入店した瞬間に顧客プロフイールが画面に出るようにして欲しい。
②まだ百貨店を一度も利用したことがない富裕層に来店してくれるようにして欲しい。
③入館時にそれらの富裕層が来館し、かつ来店したことをシステムで捕捉できるようにしたいという内容でした。

企画部門は、営業部門の要望を統合作業しないでそのままやりましょうと受けてしまいました。
議論の末、実際に着手して大きな投資をしましたが結果は分裂して、すべて失敗しました。
ここで、この失敗を分析してみましょう。

①は、ショップに入ってきた顧客の姓名、購入商品のテイストなどが自動的にわかるシステムをつくりたいという要望で、
そうすればきっと最適な対応ができるに違いないというのです。
分かってそうするのかと思いますが、ショップでは、分かれば好きなテイストを薦めることができるから、購入率も高まり、
効率も上がると言います。
しかし、デジタル化によってシステムでの実現はできますが、リアルの場でリアルの接客にデジタルの仕組みどう組み込み、
タイムログをつくらずに統合させるのかという課題が残ります。
なかでも、一番の課題は普通に考えて顧客はどう思うかです。このような議論は統合作業で行われなければいけなかったのです。

②は、百貨店に一度も来店したことがない富裕層が来館しショップへ来店するような仕組みをつくって欲しいということです。
これは統合作業以前に実現不可能です。

③は、①とつながっていることです。相違点は顧客登録をしていないことです。

さあ、どうなったでしょうか。システムは①も②も出来上がってしまったのです。

同時になんでこのような話を持ち出すのかとお思いになるでしょう。

デジタル営業化システムの怖さがここに凝縮しているからです。

デジタル営業化システムは、理屈をつけるとできてしまうのです。ここは大事なところです。

先の例では、百貨店を利用したことがない富裕層を来館させてというシステムもつくってしまったのです。
つくってからどう使うのかということになり、はたと困り果てたわけです。

結果はいずれも失敗です。
一度も百貨店を利用していない富裕層をどう見つけるのかという議論はなく、百貨店を利用しない富裕層が館の前に立つ
ところから、を考えたシステムであったわけです。
統合作業は、どこの企業でもやれるようにしなければ、いけないと思います。
そして必ずやらなければならないと思います。

さて、統合作業のするうえで必要な「営業活動デジタル化4つのポイント」について話を進めます。
PINOSOLA Coreとタイトルを打った下図をご覧ください。

この図はこの考え方でデジタル営業化の骨組みをつくると良いという図です。
デジタル営業は考え付いたことができるようにつくれてしまいますので、それは出来上がったものが
すべて正しいことにはならないということです。ですから正しいと思われる骨組みをつくってそのうえに
つくっていくことが必要になります。

統合作業を正しく行っていけばかなりはっきりするのですが、それでも無数にある統合項目を一定の枠組みの中で
展開するためには骨格になるものが必要であり、それがPINOSOLA Coreの図です。
4つのポイントとは行動→基準→制御→学習のことです。
そして4つのポイントは人間に向かっています、同時に人間が発した行動が再び受け手の行動になっていきます。
言うまでもなく、人間とは複数の顧客関係者であり、営業パーソンであり、マネージャーであり、営業幹部であり、
営業本部であり、経営者です。

人間は生まれてから死ぬまでの間、行動し続けます。毎年、毎月、毎日、毎時、毎分、毎秒が行動の連続です。
行動しない時は死んだ時です。眠っている時も睡眠活動という行動をしています。
何もしないでテレビを見ている時もテレビを見ているという行動をしています。営業活動も人間の行動の一環と
して捉えることもできます。

17世紀、フランスの哲学者・数学者パスカルが人間は考える葦と言いました。
しかし私は、パスカルの言葉を借りるなら「人間は行動する葦」と言いたい。人間は行動がすべてだからです。
「思考」も「行動」に組み込まれるからです。

私は上位概念にある行動にActと名前を付け、下位概念にある詳細行動にActionと名前を付けました。
違いをはっきりするために名前を変えたのです。
PINOSOLA Coreは、すべての営業活動に当てはまる骨組みです。
Webマーケティングも当然ながら当てはまります。当てはまるように思索し行動したからです。
楽天の執行役員北川拓也氏が、ハーバードビジネスレビュー2016年6月号の対談で、今後のECは
顧客の考え方を変えるというところを突き詰めると教育に行き着くと語っています。

私たちは20年前に同じ発想で顧客学習の手法を発表しました。くるりと時代が回ってフロアは違っても、
スパイラル螺旋階段の上下同じ地点にたどり着いた感があります。
言い換えれば楽天の執行役員が、行動変容は学習(教育)が決め手になると予測しているわけです。

話は戻ります。
行動には、当然ながら営業活動のすべてが含まれると私は考えます。
含まれている項目を私は要素(Element)と名付けています。

実際には、行動と活動は相違があって心理学的には双方に概念の対立が生じ、統合作業が必要になります。
ここで哲学的な統合作業をやっても本題とは直接的に関係ありませんので、行動には営業活動が含まれると決め、
先に進みます。

上位概念の行動に含まれる一番重要な概念は言うまでもなくプロセスです。
プロセスがないところに行動はないともいえます。プロセスがなければ行動を計測できないからです。Webでも同様です。
行動は企業側だけではなく顧客のアクション、リアクションも含まれます。
ここでいうアクションは詳細行動のことでプロセス中にある一つひとつの行動を意味します。

次号は営業活動デジタル化4つのポイント 行動について深堀りいたします。

(本文2565字 次号へ続く)

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