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10.統合する思考過程のカタチ7 (現営業活動のカタチを総括する)

カテゴリー:お知らせ
17.07.24

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界
10.統合する思考過程のカタチ7 (現営業活動のカタチを総括する)
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平安時代に武家が、武力による政治的な権力を握ってから(例:平清盛1118年生まれ)昭和20年の敗戦まで武士による統治が行われていました。徳川幕府を倒し明治時代を握ったのも薩長の下級武士でした。明治維新の主役であった薩長武士の多くは政治家、軍人、教師になりました。

江戸時代から明治に変わった時、散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がするという歌が流行りました。江戸時代を総括するとか、近代国家とは、国民とは何かとの総括をすることはなかったのです。

欧米列強が植民地政策をとっているところから、疲弊する国内経済を打開するために世界史的には、後期帝国主義をとり、1904年に勃発した日露戦争の勝利を皮切りに1910年韓国併合、1932年中国に傀儡政権である満州国をつくり、1945年太平洋戦争敗戦まで、実に長きにわたり武士が日本歴史の表舞台にいて、国を引っ張っていったわけです。
戦後に、民主主義憲法ができましたが、日本人はここでも軍国主義、全体主義とは何かを総括しませんでした。それどころか、スーと敗戦後の新しい世界に溶け込んでしまったのです。

以上の文章には、二つの伏線があります。一つは武士が仕切ってきた日本の歴史、二つは時代の分かれ目に過去を総括しないまま新しい時代に突入した日本人ということです。

日本の営業は、長いあいだ精神論が軸となっていたと思います。私が大学を出て機械メーカーに入りましたが、その時の営業指導コンサルタントは、長年マットレス販売指導員をやっていた方です。新人3か月訓練の話を聴いたのです。
その人が言うには、新人販売員に毎日2セットのマットレスを販売させる訓練です。2セット売れたら帰社してよい。売れなければ売れるまで帰ってくるな。1時間ごとに社に電話を入れることが義務づけられ、5分単位で刻まれていました。戸を開けてくれたら片足をドアの中に突っ込むんだ。電話口で怒鳴りまくっていたそうです。まさに精神論、根性論営業でした。
多くの新人は脱落するけれど、根性のあるやつが残る。それで企業はいい。減った分だけ採用すればいいんだ。まず、自宅や親せきは買うからそれで元は取れるというひどい時代でした。

しかし、この根性論に数字が付け加わることで事態は奇妙に一変します。精神論に数値が加わることで妙に説得力が生まれてきたからです。
過去のデータを解析すると統計的に言って当社の営業員は平均して月に100軒回れば5軒の受注ができている。しかし君は3軒しか取れない。2軒不足しているわけだ。因果分析的には5軒を受注するために月に200軒訪問することによって結果は達成することになる。したがって今月から月に200軒訪問するように。これです。

Webマーケティングをやっている人たちは超現代的なマーケティングを展開していると思っていることでしょうが、実は、上記のように平清盛から続く極めて日本的な思考上に乗って展開しているにすぎないのです。100%断言できます。
だから多くのECサイトを運営する人たちは打つ手がなくて困っているのです。

マーケティングの重要な転換期に、過去の総括をやらないまま新しいことに着手しても、結局は古いものを引きづって古きもののうえに新しいものを乗せるだけになります。日本の古いモノとは突き詰めると精神論にたどり着いてしまいます。精神論は極端とするなら結果論を確率論と呼び、説得力を付けるために因果分析と称して因果論でないモノを因果論と呼んで理由付けをしてところは、否定できないでしょう。

昨日の新聞に大手メガバンクが離脱しそうな顧客を発見するAIを導入するとプレスリリース記事が掲載されていました。
問題は、わかってどうするのかです。わかったら離れないでくださいと飛んでいくのでしょうか。そもそも離脱しないような行動を常時とっているのでしょうか。放置したまま離脱しそうとわかっても放置していれば、現実的な次の一手を打つことはできません。大切なことは離脱しないようにしていくことです。

私たちの経験では、顧客との関係性レベルを5段階に分けてみると、上位5と4から受注の70%が獲得できていることがわかっています。すると下に落ちそうな顧客を発見しても意味がないことがわかります。5,4レベルに留めておくことが一番重要ということです。さらに詳細事項を組み込んで実現する仕組み、ロジックをつくり上げていますのでこの銀行のAI化にどんな課題が生じるかよくわかります。まず営業員のアクションと、顧客のアクションを連動させる必要があります。そして行動の営業プロセスに付随する問題だと思います。

推測になりますが、この大手銀行は、顧客別預金高ランク、金融商品購入ランクを付けて優先順位顧客を決めて、それぞれの顧客の預金残高、金融商品の減額率、減額高の推移から一気に解約に進む取引例をたくさんAIに食べさせて判断をしようとするのでしょうが、突きつけられた人間は迷惑なことだと思います。

もっと重要なことはログを取得できる時代の顧客戦略とはどうあるべきか、今まで何が足りなかったのか、何を実現すればよいのかを、統合作業で統合し終えることです。そうしないとAIを導入することが先にあって、次には、何をしようかということになり、誰かの発案で離脱しそうな顧客を発見するというのはどうだとなり、それにしようと決めることになります。

日本企業の経営者はデジタル化をすっ飛ばしてAIに関心が向いています。それを悪いとは言いませんが、担当部署の責任者の方は、早すぎますと断っている方が多いようです。
AIで何を実現するという議論はさておき、行動→基準→制御→再行動のサイクルを回せることがAI化の入り口になり、その実現のためにはログデータをいかに制御していくかに心を配らないといけないのです。デジタル化の魅力は、見える化が実現することではありません。見えたものが正しく役に立つものでなければ見えただけでは何の役に立ちません。

大切なことは、行動をいかに設計するか。そこから基準をどう作っていくか。基準はいつまでも同じではありません。環境変化で勝ちパターンのカタチは変ります。変化に合わせて新しい変化に勝ちうるパターンをつくり上げていく。
顧客状態変容と、一時期Webマーケティングで流行った用語も「行動」の中に組み込んでいきます。コミュニケーションも「行動」の一部です。いずれにしても統合作業を通じて作り上げていきます。

(次号へ続く 本文2630字)


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