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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界 2.統合の最上位にあるもの(主体性と従属性の統合)

カテゴリー:お知らせ
17.05.17

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PINOSOLAマガジン第一章 旅立つ前に立ち寄る世界

2.統合の最上位にあるもの(主体性と従属性の統合)

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デジタルマーケティング、顧客戦略、営業プロセス、営業活動等をシステム化する時に、必ず通過しなければならないことは、相反するモノ同士の統合作業です。

この作業をやることで設計方向性が明確になり、各部署にも受け入れられ、使われるシステムになります。やらないと、つくったけれど使われないとか、いろいろな伏兵が出てきます。一言でいうなら、成功も失敗も企画段階で織り込まれていると言えます。

この作業は、一般にはシステム部門が営業現場部門にヒアリングをすることで済ませていますが、その手法とは違います。

昔からデパートで行われていて失敗を重ねている事例で違いを話しましょう。

デパートでは、ショップの現場に聴くと必ず、ショップにいらっしゃったお客様の姓名と何をいつ買ったかが入店と同時にわかると最上のお薦めができると異口同音で言います。

システム部門や経営企画部門は、それを実現しようと昔から大変な苦労をしました。

RFIDカードをお客様に持っていただいてアンテナの前を通ると、バックヤードにあるPC画面にプロファイルを表現するとか、最近では、お客様の動画像から顔写真を登録し、プロファイルを表示するというものまで多様です。

大変苦労したというのは、システム化はできますが、運用が伴わず結局は失敗に終わることについてです。

例えば、若いショップ販売員が初めてのお客様の姓名を口にしたため、何故貴方は私の名前まで知っているの?と詰問されましたし、PC画面からプロファイルを読む時間と目の前にいるお客様を待たせることに時間差ができて活用されませんでした。理由はいろいろつきましたが、いずれにしても結果として使われなかったのです。

この事例で説明したいことは、このヒアリングはヒアリングだけを行ったのであってシステムをつくるにふさわしい内容であるかどうかを吟味しなかった、統合作業をしなかったことにつきます。つまりはシステムとコミュニケーションの統合で語られるべき項目です。

私なら、「ショップのご要望はシステムに統合されないコミュニケーションであり、人間が行うべき範疇」とジャッジしますね。

本題に話を戻します。

最上位に置くべき統合作業項目とはどのようなものでしょうか。

最上位にある理念は、組織の末端に至っても共通した理念でなければならないように、統合作業も最上位に置く項目は全体を俯瞰するようなものである必要があります。

私は、主体性と従属性の統合を最上位に置きます。

なぜなら、主体性と従属性は、時代背景を伴った社会的統合の最先端にあり、営利活動とCSRとの統合、経営者と従業者との統合、販売と購入の統合など、多くの統合作業をカバーしているからです。

主体性とは、自分で考えて行動する意味です。従属性とは他人の下に従う、他人の支配を受ける意味です。誰でもわかる言葉ですが、今、あらゆるところで主体性とは何か、従属性とは何かと定義したこれまでのボーダーラインが変わるかもしれないという問題を抱えています。

皆さまならよくおわかりのことです。SNSに頻繁に出てくる性格テストや色彩テストなどを展開しているVONVONやCUPEなどは徹底的に個人プロファイルを集め、性格、才能、内心の情報までも獲得しています。Google、Yahoo、Face bookなども同様です。いわゆるビッグデータのことになりますが、このようなデータが販売されるようになると、販売の現場は、顧客に合った合理的な提案ができるようになってきます。

アメリカでは深層心理学を応用した買い物への誘導が進んでいます。

顧客は、自分が考え自分で行動をしていると思っても、実は従属しているという状況がこれからの社会を支配してくるかもしれないのです。人間にとって真の主体性はどんどん狭域になってくる社会がくるということです。未来学者は、DNAプロファイリングの完成により消費者は孫子まで代々にわたって支配されると予測しています。

これからが本丸の話です。

企業内でも主体性と従属性は、大きな議論になると思っております。

日本の営業は、新入社員をマネージャーにつけて、十分に時間を掛けてOJT教育を行い、それから一本立ちをさせます。個人の成長に企業の成長を掛ける手法です。

本人の主体性に任せた営業ともいえます。個別主体性とは一人ひとりが自分で考え自分で行動するという意味です。

一方で欧米では、プラットフォームに営業活動のモデルを書き込み、モデル通りに営業活動をするようにと、強制的に従属性を求めます。社員もそれに従うので統合ができています。

日本は、少し状況が違います。

主体性を容認し、むしろ推奨しているにも関わらず、SFAなどプラットフォーム型システムは、主体的な行動を推し進める仕組みになってなく、従属性を求めています。

形式としてのプラットフォーム型システムと、実際の営業活動とに乖離が生まれているのです。営業パーソンからすると実態は「実」でありますが、プラットフォーム型システムは「虚」になります。だからシステム登録に意味がないのでやらないわけです。

会社としては困るので強制的に求め、従属性を要求します。強制的に従属性を求めてもやっていることは個別主体的な行動ですからプラットフォームに記載することは戦略的でもなく、次の一手が考案されるものではなく個別的にやったことの登録に終わります。

これでは統合になりません。分裂のままで運用だけは進んでいるというものの目立った成果は生まれないからです。

主体性と従属性は企業にとって深淵なテーマです。

今年の新入社員の誰かでしょうが、通勤列車の混み具合は自分が考える通勤のイメージと合わないという理由で、現場配属後3日でやめてしまったと報道されていました。

営業は自分に合わないので、これからもやり続ける気がしないのでとの理由で、入社後10日で退職したという報道もありました。

デジタル化とはプラットフォーム化だと考えている人が多いのも事実ですが、それなら企業は(デジタルマーケティングの企画者は)主体性を握り、営業パーソンには従属性を求めるのでしょうか。

今まで、日本企業が続けてきた、日本の家芸ともいえる個別主体性はどうなってしまうのでしょうか。

世代の入れ替えが起こっている今日、自分で考え自分で行動する主体性を求めるメソッドが通用するのでしょうか。通用したとしても世代がさらに一回りした次にも通用するのでしょうか。

まだあります。AIの登場で人間の主体性は幻想になるのではないかと言われ始めている時代背景があります。俺はこう思うからこう行動するのではなく、AIに従属した方が、成果がでるという時代が来ると言われています。(私は必ずしもそう思いませんが結構言われています)。

その時に、日本企業は、このモデルに従えという成功モデルを営業パーソンに提示できるのかという課題が残ります。速いスピードで変化をしているビジネスにおいて、企業が決めた基準営業プロセスがいつまで通用するのでしょうか。

AI化を成功させるには、日本人が一番苦手な営業プロセスと正面から向き合わなければなりません。

すべての解決は、主体性と従属性を統合することから始まります。皆さまはいかがお考えですか。

ここで統合の意味を振り返ります。統合とは二つ以上のモノを一つにして単一の目的と方向に向かせることです。

主体性と従属性を一つのシステム上に実現し、双方を同じ目的、同じ方向に向かわせるかを考え、適切な答えを出すことが統合作業です。

この実現を見ないと、主体性と従属性をどうするかが分からないままに営業パーソンやマネージャーを放置することになります。つまり、個別主体性を残したままプラットフォーム型システムで従属性を求めることになります。この状態が起これば、分裂を起こします。営業活動とシステムは統合されなくなります。

統合作業をしないデジタルマーケティングはこうして分裂を起こして使われなくなってしまうのです。

次号では「統合したカタチ」について説明をいたします。

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