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見える化から受注化へ

カテゴリー:服部隆幸のCRMアーカイブス
17.04.15

業務プロセスを細分化し、細項目の一つひとつを数値化(デジタル化)することによって業務プロセスは可視化できるようになると言われている。SFAはこうして、メーカー経営者から導入の火がついて日本企業に、もう数千社が導入をしている。

見えたらその後どうするのか、どうすれば売り上げが伸びるのか、契約率が高まるのかという解は導入企業にもITベンダーにも持ち合わせていない。
SFAはCRMの一環として登場してきた。西暦2000年当時、CRMが根付かないうちに登場したSFAをCRMと名付けた。CRM tとは(Customer Relationship Management)であるはずだが、SFAには顧客戦略は存在していない。

導入する企業も、見えたことによってこれで営業改革ができると信じ込む。見えなかった業務プロセスが見えることは大きな進歩だからだ。
ところが可視化したプロセスを契約率向上に導くノウハウもなく、やり方も知らないで営業改革をするにはどうしたらよいかと企業担当者が考えれば、やり方はただ一つ、プロセス管理しかないのである。

営業マンのプロセス管理はいくつか手法がある。

一つは時間管理。営業マンの時間管理を集計し、在社時間率、移動時間率、商談時間率を円グラフにして比較をするもの。例えば平均と比べあなたは在社時間が38%も多いから営業活動に専念し在社時間を減らすように、あるいはあなたは商談時間が少ないから、あるいは商談件数が少ないから在社時間を減らして、商談件数を増やすようにとアドバイスする。

二つはプロセス管理。例えばあなたは概算見積書を提出してから商談の中断する率が多いので、概算見積書を提出してから、次のプロセスに進捗できるように努力をするようにとアドバイスをする。

分かりやすく書けばこうだが、実態は決して営業改革が実現できるような話ではない。
例えば時間管理を一時間管理で記入していたある大手メーカーでは、社長がSFA資料を見て一時間単位で動くわけがない。実態は分単位で動くのだろうからこれを分単位に直せと命令を降したために、営業マンは毎日の記録を何時何十何分から何時何十何分まで何をやったという報告をしなければいけなくなり大ブーイングがおきている。

別の会社では営業会議で必ず行動管理が議題になり、営業成績とは別に平均値と比べて低い行動管理の数値を持つ営業マンが吊るし台に昇るなど、SFAを導入したあとのこうした負の話は限りなく存在している。
営業マンの行動管理は必要だが、それはついでの話にしないといけない。実際のところ行動管理だけが目的でSFAを導入したのか。そうではないはずだ。
工場の全プロセスが可視化できれば生産性は向上し、コストは下がり、品質は向上する。工場コストは一つひとつのプロセスの積み重ねで出来上がっているから、プロセスが合理化できればそれに拘わる工数が削減されコストは一気に下がる。しかし営業プロセスは可視化できてもそのままでは契約率がアップすることにはならない。営業プロセスが見えることと、売上げを増やすこととは別の行動なのである。
(2005年10月原稿)


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